君とベッドで秘密事。
レナ
「お兄ちゃんとおばあちゃんと暮らしていたんだけど、お兄ちゃんが高校生の時におばあちゃんも死んじゃった。それで、お兄ちゃんが高校卒業して働いてくれてるの」
「そっか」
こんなこと話すつもりなんてなかった。進路のことで動揺していたのかもしれない。けれど、一度箍が外れればそれは止まらなかった。
颯真は続きを急かすことなく、私の言葉を待ってくれている。
「お兄ちゃんはね、頭が良くて進学校に通ってた。行きたい大学もあったの。でも、私がいたから…」
「うん」
「お兄ちゃんだけだったら、お父さん達が遺してくれたお金で十分に生活出来たと思う。大学にだって行けたし、もっと良い生活をしていたはずだから……」
「………泣くなよ」
いつの間にか、瞳が潤み涙が溢れていた。それを颯真が指の腹で優しく拭ってくれる。
自惚れかもしれないけど、颯真がまるで愛しいという表情をするから。彼の体温に甘えるように、ぎゅっと隙間を埋めるように強く強く抱きつく。