君とベッドで秘密事。



「俺は、父親に”一人でも生きていけるようになってくれ”って言われてたから」


「え?」


「ちゃんと自立出来る人間になってほしいってことだよ。レナのためを思って大学に行ってほしいんだろう。そしたら、いっぱい勉強して良い会社入って恩返しすれば良いだろ」


「でも、お兄ちゃんが…」


「それは同情だろ?」


颯真が言った、その一言が胸に突き刺さった。


そうかもしれない。私は、お兄ちゃんに対して酷いことをしていた。自分の置かれた状況を悲観しながらも甘い蜜を吸い続けて。行動もせず、可哀想と思い続ける。


「お兄さんのことが大切だと言って自分の下に見ていないか?今、そしてこれから与えられるものを大切にすれば良いんだよ。子供なんだからいっぱい甘えれば良い。恩返しする時は時期に来るから」



「……ん」





< 28 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop