君とベッドで秘密事。
「俺は、父親に”一人でも生きていけるようになってくれ”って言われてたから」
「え?」
「ちゃんと自立出来る人間になってほしいってことだよ。レナのためを思って大学に行ってほしいんだろう。そしたら、いっぱい勉強して良い会社入って恩返しすれば良いだろ」
「でも、お兄ちゃんが…」
「それは同情だろ?」
颯真が言った、その一言が胸に突き刺さった。
そうかもしれない。私は、お兄ちゃんに対して酷いことをしていた。自分の置かれた状況を悲観しながらも甘い蜜を吸い続けて。行動もせず、可哀想と思い続ける。
「お兄さんのことが大切だと言って自分の下に見ていないか?今、そしてこれから与えられるものを大切にすれば良いんだよ。子供なんだからいっぱい甘えれば良い。恩返しする時は時期に来るから」
「……ん」