君とベッドで秘密事。
おまけ
レナのこと
颯真は、相当我慢というものをしていたようだ。あれから何度も愛を重ね合った。申し訳なさそうな顔をしながら私を心から求めてくれた。
今まで颯真の優しさに随分と甘えていたわけだし今更、颯真のことを軽い男だとかは思わない。むしろ幸せな気持ちになる。
「レナのこと教えてよ」
「へ?」
情事後の心地好い倦怠感に包まれていた時、颯真は言った。
「レナのこと何も知らないって言ったじゃん」
「ああ」
子供のようにわくわくという顔をしているものだから話しづらくなってしまう。私のことなんて別に大したことじゃないのに。
でも、何となく颯真の気持ちも分かるような気がして。好きな人のことだからこそ何でも知りたい。今までは思いもしなかったこと。心境の変化に戸惑いはあるけど、これも受け入れていくべきものなんだなって思った。
「レナだよ。都築レナ。都に築くでツヅキで名前はカタカナなの」
「まじで?珍しいね」
へえと驚くように言うものだから笑ってしまった。確かに名前はカタカナというのも中々いないだろうし、都築という名字も私の周りにはいない。