鈍感な君へ
「やっば。そろそろ帰るわ」


泉が携帯を確認している



「もう、8時か」



「明るいから気づかんかったそ。俺も帰る」


「俺も~」


そう言って次々とその場を立つ



「じゃあ、私も帰ろっかな」



私も立ち上がった



玄関に着いて靴を履いてると


「送ってく」


晴樹は目を合わさずに靴を履き始める


「ありがとう…」


「じゃあ俺も送ってくよ」



クールな彰が泉に言った



「まじで?うれしい」


泉はニッコリ笑った


その笑顔を見て裕士が


「俺にはあんな笑顔見せたことないのに…」


ボソッと呟いたのに気付いたのはあたしだけみたい…



「じゃーねえ、彩奈」


「ばいばーい」


彰の横で嬉しそうに手を振る泉



裕士はそのちょっと後ろを歩いてる
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