鈍感な君へ
「みかんっ」





玄関に入るとすぐさま名前を呼んだ






するとすぐカチャカチャ
フローリングと爪がぶつかる音がした





現れたのはふさふさの柔らかそうな
茶色の毛並みの柴犬だった






「うそぉ?想像してたのより可愛いっ」





「お前、どんなん想像してたんだよ」







あたしは晴樹の言葉を無視し、みかんに話しかける






「みかん、おいでっ」





怖がらせないように笑顔で言うけど





1メートルくらいのトコから動こうとしない






「みーかんっ」





「お前、笑顔怖いって」





どうやら上手く笑えてなかったようだ…





「みかん」





晴樹が呼ぶと微かに尻尾を揺らした



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