鈍感な君へ
なんか、複雑な感じかも…



「帰るぞ?」


晴樹が横に並んだ


「あ、うん」


歩き出したあたし達、あたしの半歩前を歩く晴樹とその後を追うあたし



晴樹のが背が高いしこの方が話しやすい



「今日は、楽しかったね」


「ああ。そおだな」


「またやろおね」


「おう」


ニって笑った彼

心臓を鷲づかみされたようにギューて苦しくなった


「てか、彩奈いつ空いてる?」


「え…、いつでも」


「なら、明後日空いてる?」


明後日か…、夏休み初日だ


「う、うん」


「じゃあ家来て髪染めてよ?」


ほんとに?



「行く行く!!」


「よし、決りな。2人でも大丈夫?」



「うんっ、余裕」



あたしの頬は緩みっぱなし


そして気がつけば家の前だった


「じゃあな、またメールする」


「うん。ありがとね」


歩き出した晴樹の背中を見送った
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