鈍感な君へ
「ああ、そこは今日は駄目」



即答する晴樹





「何で?」





「今日ばあちゃんいないから」





その言葉でここが晴樹のおばあちゃんの
部屋だと知る







「みかんさ、いつもばあちゃんの部屋で寝てんの」






「そうなんだ」





きっと可愛いだろうな





「じゃあ、今日は晴樹が寝てあげなきゃだね」






横に居る晴樹を見上げる





目が合うと「やだね」って意地悪っぽく笑った







おかしくてあたしが吹き出すと晴樹もつられて笑い出す






そんなあたし達に振り返るみかん






――…家族、みたいかも

家族みたいって錯覚させるような
優しい空気がそこにはあった





ずっと続けばいいのに…

―――幸せって続かない
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