鈍感な君へ
その後のことはよく覚えていない






だけどばあちゃんの頭には大きな
腫瘍が出来ていてもう手遅れで、
長くはないと聞いた




 『後一週間…、もつかどうか…』





言いずらそうに言う医師





後ろから何かで殴られたような気がした





真っ白になる頭



ぐるぐる目が回る



――死ぬ?ばあちゃんが?






理解ができない





訳が分からない





吐きそうになるのを必死に堪え
ただただ、呆然としていた




病室のドアに手をかけようとした時


2人の笑い声が聞こえてきた




俺はそっと2人の話をドア越しにきいた 


< 122 / 150 >

この作品をシェア

pagetop