鈍感な君へ
「っ…」




溢れ出そうになる涙を
後ろから追いかけてくる彩奈に
見られたないという
プライドでなんとかくいとめる





――…、ばあちゃん
きっと俺が隠し事してるの
気付いてた……





辛いよ、ばあちゃんに隠し事すんの




でもさ、きっと事実告げたら
ばあちゃん……

どうなってしまうんだろう





きっと泣くのだろう


俺のいないところで、




たった独りの病室で





そんなのあまりにも悲しすぎる




第一、俺自身まだ受け入れられていない

この状況…


信じられない事実





どう告げたら良いのか分からない





「晴樹っ!待ってよ!!」





少し怒った感じの彩奈の声に
ハッと我に返る



「あ…、悪い」



振り返ると案の定頬を膨らまして


仁王立ちしてる彩奈がいた
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