鈍感な君へ
「晴樹?どうしたんだい」





ばあちゃんが心配そうに
覗き込んできた



「何でもねぇよ、てか俺
 そろそろ帰るわ」



そう言って立ち上がる



「そうかい…」




少し寂しそうに俯くばあちゃん





「…また来るって、じゃあな」





少し罪悪感を感じながらも
俺は病室を出た






ボーとした頭で家に帰る





考える気力さえなかった




泣くのも無駄なエネルギーを
使うだけのよに思えた






ばあちゃんは死ぬんだ





受け入れたくなくても
変わることのない事実を
受け入れていた自分が


憎かった
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