鈍感な君へ
「…お前は、俺が引き取ることになった」





雨の音がうるさくても
不思議とはっきりと聞こえた




引き取る?





「…は?何言ってんの」





「本当だ」




「第一、ばあちゃんが…」




そう言って言葉に詰まる




よく考えてみればばあちゃんは
俺を預かる理由がなかった





一応俺は孫だけど、
その母親、娘とは縁を切っている





「…もう許しも得た」





先回りしてあの人が言う






やっぱりばあちゃんは、
俺のことどうも思ってないんだ…



絶望感と喪失感が襲った




だけど…



「俺はあんたと暮らすつもりはない」



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