鈍感な君へ
それから俺は彩奈を避けるように
学校に行った


これ以上弱いトコを見られるのはごめんだ






早く学校に着いてやることもなく
机に顔を伏せていた


「はぁーるきっ」



突然甘ったるい女の声がした




顔を上げると由紀と知らない女が
立っていた






「何~?何か用ぉ?」





俺は一応寝ていた風な演技をした




「晴樹超可愛いんだけどっ」




由紀がはしゃぐ




どこがだよ、まじうぜぇ



「ねぇ~っ、いつになったら付き合ってくれるのぉ?」


――…まただ




こいつは会う度に付き合えだの
好きだの軽々しく口にする





正直こんな軽い女に好きとか
言われても虫唾が走る





こういう女が一番信用できない
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