鈍感な君へ
―――訳が分からなかった





いきなり倒れたばあちゃんは
今までと比べ物にならないほど真っ青で



小刻みに震えていた




それに負けないくらい俺の体も震えていて





目の前で起こっている光景が信じられなかった





「…っは、るき」





だけどばあちゃんのその弱い声に
はっと我に返る





「ばあちゃん?大丈夫か?すぐ救急車呼ぶからな」






―――それから
すぐに救急がきて、多分人生で初めて
救急車に乗って


病院ついて慌しく人が動いてて
俺はそれを見てることしか出来なくて





このままばあちゃんが居なくなってしまうんじゃないか
と言う言い知れぬ不安に襲われた





そしたら急に彩奈の声が聞きたくなった




俺は外に出て彩奈に電話を掛けた




だけど、その電話は電波が悪いのか
繋がらなくて




何故か、自分独りになってしまった気がした
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