鈍感な君へ
手はまだ温かく生きてるって教えてくれた
心臓の電子音が伝えてくれた
まだ生きていると
だけど俺の呼びかけに答えることは
なかった
「…おれまだお礼も、言ってないよ?
まだ…、まだ、早いじゃんっ」
声が上ずって彩奈がいる前で情けないけど
白いばあちゃんの掌に滴が落ちる
「なあっ、やだよ…っ、置いてくなよ
これから誰に頼ればいいんだよっ…
あんたしかいねぇんだよ、ばあちゃんっ」
足に力が入らなくなった
ガクって崩れたけどばあちゃんの手だけは
離せなかった
するとその手の上から温もりが包んだ
「…おばあちゃん、」
目にたくさんの涙を浮かべた彩奈だった
「…春樹、おばあちゃんに伝えたいこと、
あるんじゃないの?」
おれの眼を真っすぐ見て彩奈は言う
そうだ、今伝えなきゃ…
「…1ばあちゃん聞こえてる?
…俺なら大丈夫だからさ…、
よく頑張ったよ、ね。…今まで本当に
ありがとう」
少しだけばあちゃんが笑った気がした
心臓の電子音が、鳴り響く
「ご臨終です。」
心臓の電子音が伝えてくれた
まだ生きていると
だけど俺の呼びかけに答えることは
なかった
「…おれまだお礼も、言ってないよ?
まだ…、まだ、早いじゃんっ」
声が上ずって彩奈がいる前で情けないけど
白いばあちゃんの掌に滴が落ちる
「なあっ、やだよ…っ、置いてくなよ
これから誰に頼ればいいんだよっ…
あんたしかいねぇんだよ、ばあちゃんっ」
足に力が入らなくなった
ガクって崩れたけどばあちゃんの手だけは
離せなかった
するとその手の上から温もりが包んだ
「…おばあちゃん、」
目にたくさんの涙を浮かべた彩奈だった
「…春樹、おばあちゃんに伝えたいこと、
あるんじゃないの?」
おれの眼を真っすぐ見て彩奈は言う
そうだ、今伝えなきゃ…
「…1ばあちゃん聞こえてる?
…俺なら大丈夫だからさ…、
よく頑張ったよ、ね。…今まで本当に
ありがとう」
少しだけばあちゃんが笑った気がした
心臓の電子音が、鳴り響く
「ご臨終です。」