鈍感な君へ
嗚呼そっか…



今ある家族は幸せなんだ



形は違っても、感じ方は違っても



晴樹みたいな家族でも




帰る場所がある



「おかえり」って言ってくれる




傍に居てくれる人がちゃんといる





「何か、暗くなったな。よし!染めよう」




「うん。そうだね」




あたしたちは階段を下りて洗面所に向かった





その時ちょうどリビングを通った





――…あの靴は晴樹のお父さんの物だったんだ




写真で見るよりも痩せてるな…。でも顔は変わってない



晴樹のお父さんとおばあちゃんが向かい合って話をしている




今日も晴樹のこと頼みに来てるんだ…




前に居る晴樹を見ると、お父さんのほうは一度も見ていなかった







捨てられたって思ったりしたのかな・・・



本当は両親とも暮らしたいっていう気持あるんだろうな



そりゃあ、親なんだし…



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