鈍感な君へ
「…あたしは、ずっと傍におるよ」





そう言ってベチャベチャの髪をゴム手袋越しに撫でた






「…よろしく」






晴樹は俯いて顔を上げることは無かった




泣いているのか分からなかったけど、肩が微かに震えてることに気付いた





強がっているけど、まだ晴樹だって18歳だ




寂しかったんだろう、苦しかったのだろう





どうか、あたしの前だけでは隠さないでほしい…





あたしはただ、そんな晴樹を見つめた





20分くらい経つともういつもの晴樹に戻ってた





「もう流していいかな?」





「いいんじゃね?俺、ちょっと流してくるから、待ってて」





「分かった、楽しみに待ってるっ」




「ほいほーい」






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