鈍感な君へ
ピーンポーン


家の中に響くチャイム


「はーい」


きっと晴樹だっ


走って出ると案の定晴樹が立っていた


もわっと熱いのが家に入ってくる


「迎えに来たった」

「どーも。ちょっと待ってて、てか上がって」



あたしは晴樹を家に入れた


何度か入れたこともあるし、きっと暑かっただろう


「おじゃましまーす。やば涼しい」


「いらっしゃーい」



奥からお母さんの1オクターブ高い声がした


「早くしろよ、彩奈」


「待って、すぐ終わるから」


あたしは洗面所の鏡でピアスをつけ最後に髪を整えた


「よしっ」


その声に反応した晴樹が覗いてきた


「できたぁ?」


「うん。ごめんね、待たせて。行こ?」


「おう」



先に歩き出す晴樹の半歩後を追う


「いってくるね」


「おじゃましました」



家を出て集まりはたぶん晴樹の友達の裕士【ユウシ】の家でやるのだろう



「裕士んちでやる?」


「違うよ、俺んち」


「あ、晴樹んちかぁ」



え…晴樹の家??



「うそっ?まじで?」


「何?いきなり」







< 4 / 150 >

この作品をシェア

pagetop