鈍感な君へ
思わず目を奪われた





海岸沿いの細い道





晴樹の後ろには海があって





星は出ていないけど





満月が出ていて






その光に照らされて染めたばかりの






明るい茶色がキラキラ光ってる






夏の風に乗ってたまにする晴樹の香水の匂い






全部が夢みたいだ






「何?何かついてる?」






あたしの熱い視線に気付いたのか晴樹がこちらを向いた





「べ、べつに」




動揺してるのバレまくりだよね?





声裏返ったし





でも晴樹は「そっか」って笑うとまた口笛を吹いてる
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