鈍感な君へ
「…本当だよ、泉」





あたしは言った






「うそ…」




ポツンと言った言葉は震えていた





「…ほんとなんだ…、ずっと好きだった」




裕士が顔を上げていった




「…でも、由紀…のこと…っ」





泉の瞳からは今にも涙が零れ落ちそうだった





「…お前のこと…忘れようと思って、由紀のこと…好きってむりに自分に思い込ませてたんだ…っ。でも、無理なんだよ…っ。忘れられる訳がなかった…、本気で…好きなんだよ」




裕士からの熱い想い






――…ついに言ってしまった





「……っ」




泉は黙ったまま動かなくなった





「…泉…?」
< 68 / 150 >

この作品をシェア

pagetop