鈍感な君へ
「あた…、あたしも、ずっとあんたのこと…好きだった」





泉から出た言葉は、思いがけない言葉だった





「え…」





「でも…私のこと、友達としか見てないと、思って…」






泉の瞳から大量の涙が零れた





周りの生徒が見てるけど、そんなの構わなかった




まるでドラマのワンシーンのようだ





「遅すぎるよ…バカッ…」





裕士は驚いて固まっている






泉も好きだったなんて…あたし…聞いたことなかった






あたしも驚きをかくせなかった





……でも、過去形なんだね





「…俺っ――」




裕士が何か言いかけたとき泉がそれを遮った





「…今は私…彰だけなの」





「泉っ!」




そう言って泉は走り出してしまった




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