鈍感な君へ
「ちがうよっ!」





泉の冗談で笑えたけどどこか不安が残る







午後の授業は全く頭に入らなかった








胸騒ぎが収まらない






そして風に乗って微かに雨のにおいがした







「うわ…降ってきたよ」







誰かがポツリと呟いた







「・・・」






あたしはその雨をただボーッと眺めていた







ぽつぽつしていた雨はやがて大降りになった







―あ 折りたたみ傘あったな…





ロッカーに真っ赤な折りたたみの傘が用意してあることを思い出す
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