鈍感な君へ
声に元気が無いし笑顔も無理してるようにしか見えない








「晴樹…?」






覗き込んで、目が合うと晴樹はすぐ逸らした




これ以上探られるのを恐れているようだった





「っ俺、帰るよ」





「え 濡れるよ?」





「今さらだって。じゃあな さんきゅ」





そう言って走っていってしまった






あたしはその背中を見届けることしか出来なかった





少しだけその場に立ち竦んで 家に入った






晴樹の後姿が頭から離れなかった





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