ヤクザに愛された歌姫【完】
ママはいつもどんな時も
あたしの味方だった。



アイドルになると決めた時も
逃げ出した獅狼と仲直りした時も
あたしが手術のために渡米した時も
ずっとママはあたしの味方でいてくれた。




今だってそう……
いつどうなるかわからない
娘を1人で外に出すのは
かなり不安なはず。




「会えるといいね?」



『うん。これあたしが死んだら
みんなに渡して欲しいの。』



あたしはママに小さな紙袋を渡した。




「わかった。」



『最後までありがとう…
親不孝でごめんね?』



あたしの言葉にママは
首を横にふった。



「ママは延珠が娘で幸せだよ?
どんな時も負けないで
頑張ってる延珠はママの誇り。」



ずっと女手ひとつで
育ててくれたママ。



本当にありがとう…





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