ヤクザに愛された歌姫【完】
「なんで延珠さんはアイドルに?」



俺のいきなりの質問に
キョトンとする延珠。



『なんでって言われてもなぁ。』



答え方に困っているのか
考え込む延珠。



「延珠さん?」



『歌が…アイドルが好きだから。』



まっすぐ俺を見つめる延珠。




『それにメンバーもスタッフさんも
ファンのみんなも大好き!』



そう笑顔で答える延珠。




『それともうひとつ…』



いきなり寂しそうな顔をする延珠。



『あたしが誰よりも好きで
今でも忘れられない人を探すため。』




「えっ?」



俺が驚いていると
延珠はニコッと笑った。




『延珠でいいよ?』


「なにが?」



俺がそう言うと
ムッとする延珠。



『呼び方!あたしも獅狼って呼ぶから!』






< 14 / 118 >

この作品をシェア

pagetop