ヤクザに愛された歌姫【完】
そしてあたしの足元に
獅狼のてんかんの薬が落ちていた。



あたしはそれを拾い上げ
獅狼の元に駆け出した。



『あの!待って!』



あたしの声にジュンと獅狼は
振り向きあたしを見た。



『あのこれ…』



やっぱりあたしだって気づかない。




『てんかんの薬落としちゃダメだよ。』




獅狼は薬を受け取ると
あたしを睨みつけた。



「審査員に言うのか?」



『言わないよ。だって病気は
あなたのせいじゃない。』



あたしの言葉に獅狼は驚いていた。




『最終選考頑張ってね?』



あたしはそう言うと
心配そうにあたしを待つ
ヒカリの元に戻った。




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