ヤクザに愛された歌姫【完】
しばらく車を走らせると
なんと獅狼の地元にある
星の丘に着いた。




「ロコドルの延珠からしたら
地元の観光地なんかだよな?」




『そんな事ない!
めちゃくちゃ星がキレイ。』



あたしは思わずキレイな星空に
見とれてしまっていた。




「気に入ったか?」



『うん!この景色宝にするね!』




あたしがそう言うと
獅狼は一瞬だけど笑った。



『今笑った。』


「笑ってねぇし!」



今度は照れる獅狼。



「好きなやつが見つかるといいな。」



あたしは獅狼の言葉に
なんだか切なくなった。



『もう見つけたよ。』



「え?」



『あとは気づいてもらうだけ。』




あたしの言葉に返事をせず
獅狼は黙って星を見ていた。






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