ヤクザに愛された歌姫【完】
『だってケンカなんて
こんな事するんでしょ?』



あたしはその場に立ち上がり
ケンカの真似事をしてみた。



「ちょっと延珠!?
こんなところで危ないよ!」



『大丈夫だって!』



あたしが蹴りをかました瞬間
ミーティングルームのドアが開いた。



ヤバっ………!!



足の勢いは止まらず
あたしは目を閉じた。




「危ねぇな。」



え?



あたしがそっと目を開けると
そこには獅狼の姿があった。




片腕であたしの足を止めていた。



『ごめんなさい!』




あたしは慌てて足をおろして
獅狼に謝った。




「さっそく練習とは熱心だな。」




いじわるに笑う獅狼。




「でもスカートでローキックはやめとけ?」




ニヤリとあたしのスカートを
見ている獅狼に気づき
あたしはサッとスカートを押さえて
獅狼を睨みつけた。




その様子にヒカリとジュンは
笑っていた。







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