ヤクザに愛された歌姫【完】

「本当は２人の延珠ちゃんに
関連性がないか調べたんだろ？」



俺はジュンの言葉に
車から書類を出して渡した。




「元カノの延珠は行方不明。
実家も取り壊してたし
アイツ名義の家もケータイも
車も存在してなかった。
延珠の情報はネットに載ってるままだ。」




俺の説明を聞きながら
書類に目を通すジュン。




「でも延珠ちゃんのデビュー時期に
姿を消した同じ名前の元カノか。」




ジュンの言うとおり
俺もそこが引っかかった。




元カノの延珠がオーディションを受け
デビューまでの半年で痩せて
変わったとしたらつじつまが合う。




「延珠ちゃんが元カノなら
わざわざロコドルになったのもわかるな。」




「全部俺なんかのためか…？」





でも延珠は俺のために
そこまでするわけない。