ヤクザに愛された歌姫【完】
「なんでこんな事までして
俺なんか想い続けてくれたんだ?」




俺の質問に延珠は
ペアリングを見て微笑んだ。



『あたしと獅狼が過ごした日々も
叶えたかった未来も全部ムダにしたくなかった。
作り笑いなんかじゃない…
獅狼の……本当の笑顔がどうしても
見たかったから……』




「延珠っ………!」




俺は延珠を抱きしめ泣いていた。
運転していたジュンも
泣きながら必死に運転している。




『ごめんね?
ずっと……ずっと愛してるよ……。』



血まみれの手で俺の涙を拭う延珠。



「俺も……俺も愛してる。」




俺の言葉に一瞬驚いた顔をしたけど
延珠は涙を流しながら微笑んだ。




『ありがとう…嬉しい。』










< 70 / 118 >

この作品をシェア

pagetop