ヤクザに愛された歌姫【完】
紅葉会の病院に着くと
外ではじいさんとばあさん
医者や看護婦が待っていた。




「延珠?着いたぞ?
もう大丈夫だからな!」




そう呼びかけた延珠は
目を閉じたまま返事がなかった。




「延珠?延珠!!」



「早く治療を!」



医者は俺から延珠を
引き離すと急いで
酸素マスクをつけて
手術室に運んだ。




「獅狼…今ヒカリさんから
連絡が入ったドリームが優勝した。」




「きっと延珠が聞いたら喜ぶ。
上手いメシ作って祝ってやらないとな。」




俺の言葉にジュンは
手術室に目を向けた。



「でも延珠の体ありえないくらい
冷たかったんだ。」



ジュンに寄りかかり
ふるえる俺。




-ガンッ!










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