Disposable
茂みの中から覗くヒュー。

…滝の下には、人がいた。

ベリーショートの黒髪、褐色の裸体を惜しげもなく冷たい水の中に浮かべる若い娘。

豊満な胸、くびれたウエスト、スラリと伸びた長い美脚を、水面に揺蕩わせる。

バニングとヒューは、茂みの中からその光景に目を奪われていた。

長い刑務所暮らしで、女などしばらく目にしていない。

しかもとびきりの若い美人の裸体だ。

釘付けになるのも致し方ないというもの。

「おいヒュー、お前凝視し過ぎだ」

バニングがヒューの肩を叩く。

「何言ってやがる、バニングこそスケベ親父の顔になってるぜ」

ヒューが叩き返す。

「俺は彼女が敵かどうか吟味しているだけだ」

「嘘つけ、嫌いじゃないんだろ?」

「まぁな」

「開き直りやがった」

「お前も開き直れよ」

「嫌いじゃない」

「スケベ野郎め」

「きったねぇ!自分だけ善人気取りかよ!」

見苦しく言い争う2人。

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