Disposable
バニングとヒューが加勢する事で、タスクフォースの一個小隊は見る見るうちにその数を減らしていく。

50人からいた兵士が、たった2人の傭兵相手に手も足も出なかった。

敗走すらできずに、バニング達の手によって全滅。

…しかし、彼らの加勢は少し遅すぎたか。

村は、ハルを残して全員が死亡していた。

戦闘に参加していた男達だけでなく、非戦闘員である女子供までもが。

ゲリラの村というだけで、タスクフォースは容赦なく射殺したのだ。

「……」

幼子の亡骸の手を握り、ハルは顔を伏せる。

そんな彼女の傍らに膝をつき。

「……」

バニング、そしてヒューも胸の前で十字を切って祈った。

「祈ってくれるの?貴方達を牢屋に入れた私達の為に」

「牢屋に入れても、君は俺達を殺しはしなかった」

ヒューが言う。

「そして君はタスクフォースに俺達を売り渡さなかった。祈るには十分な理由だ」

バニングもまた呟いた。

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