Disposable
午前5時。

けたたましいベルの音と共に、受刑者達は起床する。

すぐに着替えを済ませ、房の外の廊下に並ぶ。

「各室報告!」

看守の声で、各室の代表が報告する。

フォードが所長を務める刑務所だけあって、この辺のルールはアリゾナ刑務所と同じようだ。

報告が済む頃。

「!」

看守の1人が、整列するバニングの前で立ち止まった。

キャリアス・レイザー。

この特別戦犯刑務所で最も恐れられている看守だ。

元SAS(英陸軍特殊空挺任務部隊)所属。

規律に厳しく、受刑者の扱いが酷い。

僅かな規律違反で、すぐに特殊警棒で滅多打ちにし、機嫌次第で腰の自動拳銃デザートイーグルまで抜く。

過去に過剰な懲罰によって何人もの受刑者を殺害しているが、それらの事実を闇に葬っている。

受刑者よりも恐ろしい男だ。

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