Disposable
見通しの悪いジャングルの上を、ヘリは通過する。

必ずこのジャングルの中に、バニングは潜んでいる筈だ。

ヘリパイロットも、同乗しているタスクフォースの兵士達も、ジャングルを凝視する。

と。

「いたぞ!」

兵士の1人が叫んだ。

木々の間に、バニングがこちらを見上げている姿を確認した。

「高度を下げろ!狙撃する!」

指示を受け、ヘリの操縦桿を傾けるパイロット。

ヘリは低空でホバリングし、バニングを狙い撃とうとする。

手にしたノベスキーN4を構えもせず、棒立ちのバニング。

観念したのか。

しかし次の瞬間!

「!?」

低空飛行するヘリに、樹上からヒューが飛び移って来た!

素早くヘリ内部の兵士達を、MP5A4で射殺するヒュー。

更にハルもジャングルに自生していた蔦を投げ縄代わりにしてヘリの脚部に絡め、ホバリング中のヘリによじ登る!

「いいわよバニング!」

ヘリのコントロールを完全に奪った事で、ハルはバニングもヘリに乗り込ませる。

コクピットに座り、操縦桿を握るバニング。

向かうは脱獄した特別戦犯刑務所だった。

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