Disposable
バニングの操縦するヘリの攻撃に、抵抗は無意味と悟ったのか。

看守達は銃を投げ捨て、我先にと逃げていく。

そんな中に。

「逃げるな!私を守れ!早く奴の乗るヘリを撃ち落とすんだ!」

見苦しく他力本願で叫ぶ男の姿があった。

特別戦犯刑務所所長、マクガレン・フォード。

「見つけたぞ」

バニングはヘリをゆっくりと着陸させる。

その事に気付いたフォードは慌てた。

殺しに来た。

奴が自分を殺しに来たのだ!

逃げる看守達を押し退け突き飛ばし、みっともなく躓きながら背中を向けるフォード。

大戦中に部下や民間人を売って自分の保身だけ考えていた男らしい、無様な姿だった。

ヘリのコクピットから降りるバニング。

彼は腰のナイフホルダーからアーミーナイフを抜き。

「!!!!!!」

フォードの背中から胸へと貫通するほどの勢いで、ナイフを投げつけた。

ボタボタと流れ落ちる血液。

喀血しながら、フォードはガクリと跪く。

その背中から、バニングが勢いよくナイフを引き抜くと、フォードの傷口から血が噴き出した。

激しい出血。

最早助からない。

「血が流れ出るまでの間、全ての犠牲者に詫びろ」

バニングは吐き捨てるように言って、フォードに背を向けた。

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