Disposable
ガムを噛みながら、レイザーはバニングを見る。

「テメェが新入りか」

「……」

バニングは無言のまま立っている。

「所長に頼まれた。テメェはよく面倒見てやるようにってな…聞く所によるとグリーンベレーだったそうじゃねぇか…SASだった俺と、どっちが強ぇか試してみてぇもんだぜ」

それだけ言うと、レイザーは靴音を鳴らして通過していった。

やがて。

「食堂へ移動!」

看守が声を張り上げ、受刑者達は整列して歩き始める。

「冷や冷やもんだったな」

バニングの後ろを歩いていたヒューが言う。

「そうか?」

「ああ。いきなりレイザーの野郎に目を付けられるなんてな。寝起きの機嫌次第で受刑者ぶっ殺すような男だからな」

ヒューとバニングは食堂に入るとトレーに食事を置き、隣同士に並んで座る。

「ちょうどいい。俺がこの刑務所で逆らっちゃいけないリストの上位にいる奴を教えてやるよ」

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