Disposable
ガルフの顔色が変わった。

「積み荷の中身は一切見ない。そういう契約じゃなかったか?」

『見たくなくても見ちまう場合もあるだろう』

「そっちの事情なんざ知らねぇ。中身を見るな、そういう契約だ」

研ぎ上がったナイフを木製のテーブルに突き立てるガルフ。

「ツベコベ言ってねぇでさっさと荷を届けろ。違約金の話はそれからだ」

それ即ち、秘密を知った者は生かしておけないという意味なのだが。

『届けるのはこっちの質問に答えてからだ』

それでもバニングは気後れする事なく、ガルフと対等に話し続ける。

『あのサーモバリック爆弾は何に使うんだと訊いている』

「てめぇ!言われた通りに荷を運んで来い!違約金が高くつくぜ!」

『どうせ届けると同時にぶっ殺されるんだろ?』

「死に方にも色々ある。銃で頭を吹っ飛ばされるだけなのと、手足を失ってダルマにされて失血死と、どっちがいいかって話だ」

『どっちも御免蒙るね』

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