Disposable
ここまでのやり取りで、大体の見当はついた。

やはり麻薬カルテルの首領だ。

大量殺戮兵器など持たせても、碌な使用法はしない。

奴らが売り捌いている麻薬中毒者の何倍も何十倍も、人が死ぬだけの話だ。

「こっちは金をきちんと払ってんだ、品物を届けるのは当然の事だろうが」

『ケダモノみたいな奴が、一端に人間の権利を主張するな』

「てめぇ…自分の立場が分かってねぇらしいな」

ガルフの奥歯が軋る音が聞こえた。

「RPG(ソ連の開発した携帯対戦車擲弾発射器)くらいは持ってんだぜ?空の上にいるからこっちが手出しできねぇと思ってデカイ口叩いてんなら、そりゃあ大間違いってもんだ」

言いなりにならないなら、撃墜くらい鼻歌混じりでやってのける。

ガルフ・エセキエル・カルデナス・ギリェンはそういう男だった。

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