Disposable
『相手が麻薬カルテルとはいえ、大量殺戮兵器を投下するとは…バニング・ロスめ、やはり凶悪な脱獄囚だ』

「おいおい、第四次大戦でロンドンにMOAB投下を指示したアンタの言えた事か?」

ゴーストにそう言われると、マクナイトも押し黙るしかない。

「…少し辛辣だったな」

葉巻の煙をくゆらせ、苦笑するゴースト。

『だが奴は、ウチの分隊の隊員達を軒並み殺しかけている。数々の作戦で任務を成功させてきた優秀な隊員達を…』

「気にしなさんな」

ゴーストは葉巻を足元に落とし、軍靴で踏み消した。

灰皿に捨てなかった事を、コートニーが窘めるように睨む。

「第75レンジャー連隊は、主に撹乱や偵察を行う軽歩兵部隊。デルタフォースは主に対テロ作戦を遂行する特殊部隊。共にジャングル戦は畑違いだ。アンタらがバニングに辛酸を舐めさせられたのは、決して実力で劣ったからじゃない。たまたま戦ったフィールドがグリーンベレー出身のバニングに有利だった、それだけだ」

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