Disposable
「すみません、少佐」

Disposableが逃走する隙を与えてしまった。

ヒューを押さえ切れなかった事を、マットは詫びる。

「仕方あるまい。連中もただの三流テロリストとは訳が違う」

ジャングルで遭遇した時にはいなかった、あの女性メンバーも、なかなかの動きだった。

現在はDisposableと名乗っているらしいが…。

「駄目ですね」

ジェフが駐機されたままのHU-16から戻ってくる。

「ご丁寧に、内部に勝手に侵入すると起爆装置が作動するようになっていました。機内の捜索も不可能です」

「仕方ない。ならあの輸送機は放っておけ」

マクナイトが想像している以上に、連中は知恵が回る。

幾つもの戦場を生き延びてきた、古参兵のような用心深さ、知識、経験、そして実力…。

「Disposableか…長い付き合いになるかもしれんな」

マクナイトは独り言のように呟いた。

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