Disposable
ヒューはバニング脱獄の混乱に乗じて、看守から鍵をくすね取り、同じく脱獄を図ったのだ。

思えば彼も、この特別戦犯刑務所のナンバー2。

そのくらいの芸当は訳もない。

それに。

「所長にムカついているのはアンタだけじゃない」

グロックの弾薬を確認しながらヒューが言う。

「…わかった」

頷くバニング。

正直、1人よりも2人の方が頼りになる。

彼はヒューの同行を許可した。

いよいよ本格的な脱獄開始だ。

バニングの頭の中には、瞬時にして脱出プランが出来上がっていた。

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