Disposable
逃げても逃げても、追跡してくる看守達。

バニング達は何とか撒こうとスピードを上げる。

わざと通行に困難な足場を通過してみたりもするものの、看守達は殆ど脱落する事なく追跡してくる。

いい追跡者(チェイサー)だ。

軍人、しかも特殊部隊であるバニングでさえ、その事実は素直に認めざるを得なかった。

しかし、その追跡は技術に裏打ちされたものではない。

精神力、もっと言えば執念。

何が何でも逃がす訳にはいかないという、メンタル的なものが働いているような、そんな気がした。

それは看守としての義務とか責任から来ているものではない。

もっと違う別の…まるで何かに追い詰められているかのような。

追跡者である看守達自身が、別の何かに圧迫されているような。

バニングは、そんな印象を受けていた。

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