Disposable
しばらく歩くと、足元がぬかるんできた。
水分を多く含む土壌…湿地帯に入ったようだ。
泥に足を取られ、非常に歩きにくい。
が、立ち止まれば更に深みに嵌まる。
そんな場所を歩きながら。
「なぁバニング」
ヒューはまた話しかけてきた。
「ここから抜け出したら、アンタどうするんだ」
「さぁな…まずはビリーの仇を討つ…その先の事は考えていない」
相変わらず振り返りもせずに言うバニング。
「帰りを待つ人間は?」
「……」
バニングは無言で首を横に振る。
「なら」
ヒューの声に、僅かに明るい色が籠った。
「フォードの奴を始末したら、俺達2人で傭兵稼業をやらないか。戦争が終わったといっても、まだ世界中で紛争は続いている。軍需産業が儲かる世の中だ。必ず需要はある。それに俺達は、そんな事しかできない人種だ。違うか?」
「……」
ヒューの言い分にも一理あった。
17歳でアメリカ陸軍に入隊し、高校を卒業した後から始まった兵役。
一旦南ベトナムに配属された後、アメリカノースカロライナ州フォートブラッグに戻ってグリーンベレーの訓練を受けた。
以降、ずっと兵士。
バニングはこれ以外の事は何も知らない。
「チーム名は、そうだな…」
顎を撫でながらヒューが言う。
「Disposable(使い捨て)なんてどうだ?」
「…俺達には似合いだな」
バニングは微かに笑った。
水分を多く含む土壌…湿地帯に入ったようだ。
泥に足を取られ、非常に歩きにくい。
が、立ち止まれば更に深みに嵌まる。
そんな場所を歩きながら。
「なぁバニング」
ヒューはまた話しかけてきた。
「ここから抜け出したら、アンタどうするんだ」
「さぁな…まずはビリーの仇を討つ…その先の事は考えていない」
相変わらず振り返りもせずに言うバニング。
「帰りを待つ人間は?」
「……」
バニングは無言で首を横に振る。
「なら」
ヒューの声に、僅かに明るい色が籠った。
「フォードの奴を始末したら、俺達2人で傭兵稼業をやらないか。戦争が終わったといっても、まだ世界中で紛争は続いている。軍需産業が儲かる世の中だ。必ず需要はある。それに俺達は、そんな事しかできない人種だ。違うか?」
「……」
ヒューの言い分にも一理あった。
17歳でアメリカ陸軍に入隊し、高校を卒業した後から始まった兵役。
一旦南ベトナムに配属された後、アメリカノースカロライナ州フォートブラッグに戻ってグリーンベレーの訓練を受けた。
以降、ずっと兵士。
バニングはこれ以外の事は何も知らない。
「チーム名は、そうだな…」
顎を撫でながらヒューが言う。
「Disposable(使い捨て)なんてどうだ?」
「…俺達には似合いだな」
バニングは微かに笑った。