Disposable
凶暴な音を立てて、銃口から吐き出される5.56ミリ弾!

フルオートで連射されるそのスピードは、常人ではとても対応できるものではない。

ところがマリオンは、銃口の向きやバニングの視線から弾道を予測、ジャングルの樹木を盾に、射線を回避した。

弾倉に装填された5.56ミリ弾が尽きる。

「……」

射撃の危険がない事を悟り、マリオンはバニングの前に出てきた。

マチェットを見せつけるようにして、呟く。

「俺の自慢の逸品だ。どうだ?俺と斬り合う度胸があるか?」

「……」

バニングは無言でノベスキーN4を置き、腰のナイフホルダーからアーミーナイフを抜いた。

マリオンはニヤリと笑う。

「大した肝っ玉だ。それだけは誉めてやろう」

マチェットを片手に、ジリジリと動くマリオン。

バニングもアーミーナイフを構えたまま、ジワリと動く。

「せぁっ!」

先制はマリオン。

横薙ぎから斬り上げの連続技!

バニングはこれを紙一重で躱した。

続けてマリオンの斬り下ろし!

バニングはアーミーナイフで斬撃を捌く。

金属音が響く。

両者は間合いをはかりながら動いた。

「何故、俺を狙う?」

ジリジリと動きながらバニングが言う。

「大した理由じゃないさ」

マリオンも動きながら言った。

「テメェが気に入らねぇのさ…同じ人殺しの兵士の癖に、1人だけモラリストを気取るテメェがな」

< 76 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop