蒼空の下を、キミと2人で
「嘘だろ、父さん?



俺、元気だし」



泣いちゃいそうで、ぎゅっと唇を噛み締めた。



「嘘なんてついてどうするんだ。



本当だ」



厳しい蒼のお父さんらしかった。



「そう」



蒼は意外にも素っ気なかった。



「じゃあ、蒼。



明日も来るからな。」



蒼のお父さんたちと、お姉ちゃんは帰ろうとした。



「まだ帰らないから!



お姉ちゃん、あとで迎えに来て!」



「…分かった」



そうして、病室は蒼と2人きりになった。
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