蒼空の下を、キミと2人で
「にこ、別れよう」



いきなり蒼が言い出した。



「何言ってるの?」



「だから、もう別れようって」



絶対嫌だと思った。



「なんでそんなこと言うの?」



また泣いていた。



「病気の俺と付き合うより、他の男と付き合えよ。」



「絶対に嫌っ!



にこは蒼じゃないと嫌だ」



泣きながら蒼に抱きついた。



「いつ死ぬか分からないんだぞ?」



「それでもいい」



「デートだって行けないし。」



「それでもいい」



「心配かけるよ?」



「それでもいいから、別れるなんて言わないで!」



蒼を抱きしめた手の力が強くなる。



「…ごめん」



「うん!」



別れなくて、ほんとによかった。
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