蒼空の下を、キミと2人で
コンコン



「蒼」



「どうぞ」



入って来たのは、佑樹だった。



「あっ、ごめん、帰るね」



にこは慌てて帰っていった。



途中。



「ごめんね、佑樹くん。



学校さぼったこと内緒にしてくれる?」



にこは口止めしていった。



「にこちゃんがさぼりなんて珍しいな」



「あぁ」



2人とも何を話せばいいのか迷っていた。




「蒼。



詳しく聞かせて」



俺は、病気について知ってること全部話した。



「というわけで、長くはないみたいだ。」



佑樹は静かに頷きながら聞いていた。



「そうか。



蒼は強いな。」



「どういうことだ?」



佑樹はやるせなく笑った。



「だってさ、余命宣告されたんだろ?



それでこんなに冷静になってられるってすごいよ。



俺だったら、混乱して落ち込むなー」



窓の外を見た。



佑樹を騙してるようで、申し訳なかった。



本当は、佑樹が思ってるような強い人じゃない。



本当は、混乱してて、心の中がごちゃごちゃで、落ち込んでるって。



佑樹は俺の方を向いた。



「…と、見せかけて混乱して、不安なんだろ?」



驚いた。



と同時にやっぱり佑樹が友達でよかったと思った。



「なんでもお見通しだな」



俺は観念した。
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