蒼空の下を、キミと2人で
「さようならー」



今日の授業も終わった。



でも、部活がある。



これが、部活人生で初めて、部活に行きたくないと思ったときだった。



部活が終わって、走って病院に向かう。



学校から病院までは、走って15分。



電話が繋がらなかった不安もあって、走り続けた。



脇腹が痛い。



でも止まらなかった。



一刻も早く蒼に会いたくて。



一刻も早く蒼が無事って確かめたくて。



ガガーッ



自動ドアが開いて、暖房の効いた風が私を包む。



走った身体には暑すぎるぐらい。



[水瀬 蒼さん]



息を整えて、開けた。



ガラガラー



「えっ!」



そこにいたのは、本を読んだりしてるいつもの蒼じゃなくて。



「はぁはぁ」



ベットの上で苦しんでる蒼だった。



「…蒼…?」



そーっとベットに近寄る。



蒼は汗だくだった。



「…おー、にこ…



電話…出れなくて…ごめん」



こんな時にも謝ってばっかりで。



ポケットからハンカチを取り出して、汗を拭いた。



泣きそうになった。



そして、意地でも部活を休んで、すぐ来ればよかったと思った。



「にこ…大丈夫。



ただの風邪だから…



いつもは風邪なら心配しないだろ…?」



そんな息絶え絶えになりながら言われても説得力ないよ。
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