蒼空の下を、キミと2人で
にこside
「んー」



起きたのは、5時すぎ。



今日は少しは寝れた。



机の上にメモが。



寝れないことを知っていたお姉ちゃんだった。



<にこへ
やっと眠れたみたいでよかった!


ついに明日だね。


もう東京に帰ります。


また年末帰ってくるね!


P.S 好きに使いなー?
お母さんたちには内緒で!>



それと、5000円がおいてあった。



前の私なら、もうなにに使うかの妄想でハッピーになってただろうけど、今は違う。



今日は蒼の手術の日だから。



リビングに降りると、もうお母さんが起きていて、私のお弁当を作っていた。



「お母さん、いつもこんなに早いの?」



「うん」



すごいな。



蒼が入院してからいろんなことに気づいてる気がする。



「にこがこんなに早いなんて珍しい!」



お母さんは驚いていたけど、多分わかってたはず。



リビングでテレビを見ていたら、あっという間に6時すぎだ。



「にこー、お父さん起こしてきてー」



寝室に向かう。



「起きてー」



「んー」



伸びをしたお父さんは、私に気づいて、



「えっ、にこ!?



こんな早く起きるなんて、明日は雪だな」



なんて冗談言われた。



久しぶりの家族で朝食。



お父さんも見送った。



「よしっ」



「行ってきます」



「じゃあ、迎えに行くからね」



「うん」



毎朝、学校に行くたび、泣きそうになる。



「にこ!」



「おはよ」



「いよいよだね



頑張って!」



「うん、って頑張るのは蒼だよ」



「そうだね」



具体的な時間は伝えられていないから、今か今かと待ち構えていた。
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