蒼空の下を、キミと2人で
ホームルームの最中。



「2ーAの百瀬 にこさん



荷物を持って玄関にくるように」



放送が流れた。



思ったより早くて、何のために学校に来たのかわからないぐらい。



「はいっ!」



もともとまとめておいた荷物を持って、玄関に走った。



「お母さん!」



「にこ、行くわよ」



お母さんと車に乗る。



「蒼くんには伝えてないからね」



「うん」



そわそわする。



なんでさっきから信号ばっかり。



「ついたわよ!



お母さんは、用事があるから。



行ってらっしゃい!」



「うん!」



ガガー



いつもの暖房の効いたもわっとした風。




「おばちゃん!おじちゃん!」



「にこちゃん!」



蒼のお父さんとお母さんは、お医者さんと話をしていた。



「蒼、病室にいるから。



なんかごめんね」



「こちらこそごめんなさい」



蒼のお母さんとの話もそこそこに、蒼の病室に走った。
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